コモンだより

読書
 

コモンの本棚は虹色!

「鮎喰川コモン」ってどんなところ?何をやってるところ?
こう聞かれたとき一言で答えようとすると、すごい長い一言になる。
それくらい、色んな機能・側面を持つ、開館して5年目になる鮎喰川コモン。
私たちが色んな活動をしてきた、
まちの人たちがそれぞれの過ごし方をしてきた場所。

そんな中でも私が特に自信を持って自慢できるのは、
年を重ねるごとに充実してきているコモンの「本」たちです。

振り返ってみると、私が特に印象的だった本に関する出来事は、なんといっても2023年に企画した
「コモンでであう、本と人。」 
という名称の、長期&初めて講演会を開いた大型企画でした。
講演会の他にも「本」を真ん中に置いた、参加型のイベントをいくつか企画したんです。
企画は大変でしたが、とても楽しかった思い出があります。
みんなの本でつくるコモンの本棚。略してみん棚。
これはコモンの歴史に残る充実した企画でした・・・(自画自賛)

協力してもらった方に、コラムも書いていただきました。

短期連載コラム/第1回「私がコモンで出会ったもの。」 | イン神山|神山町のいまを伝える
なんと番外編を含めると10回にも及ぶ連載になったんです。
読み返してみると、その時の思い出がよみがえってくる、このコラムは自慢できるものです。
(私が書いたんじゃないですが)

2024年度以降も、本に関しては色んな企画をしてきました。
そして振り返っている今改めて、関係してくださったみなさんに感謝の気持ちが湧いています。

 



太宰治の言葉に、

「本を読まないということは、そのひとは孤独ではないという証拠である」というものがあります。
本を読む私は、妙に納得して、共感して・・・ずっと忘れられずにいる言葉です。

「孤独」を感じている人は世の中にたくさんいると思います。

私の場合は、「孤独だ・・・」という感傷に浸る感じではなく、
本を読まなくても人生を楽しめる人たちに対して、「羨ましい・・・」という気持ちになります。

本を読まなくても人生を存分に楽しむことができる、
そんな感性を持つ人たちを素直に受け入れることができない自分にも、また腹が立つんですねぇ。
私は時々「本読んでてすごい、読めてすごい」と言われたりするんですけど、
その度「逆だよ」と心の中で呟くんです。

でも、
そんな未完成な自分の足りない気持ちを埋めてくれるのも、また本なんです。

だから、

本を手に取る人の心の色って、エンタメを愉しみたい!という明るい色のときだけじゃない。
ちょっと苦しいとき、かなりしんどいとき。少し休みたいとき。泥みたいな心の色のときだってある。
人々の心が色んな色のとき、
それが鏡みたいに映し出された本が、あなたが手に取った本たちだと思います。

すなわち、コモンに並ぶ本たちは、
コモンに関わる色んな人たちの「心の色」が映し出された鏡のような本たち。

たくさんの人が関わってくださった分、あなたに寄り添う本がきっとあるはずです。

これからも、たくさんの人たちが関わり、
色んな人たちの心の色を映し、そして心を動かし、寄り添い続けるであろうこの本棚。
ずっと、変わらずここにあり続けてほしい、と心から思います。

鮎喰川コモンスタッフ 岩丸

投稿日
  • 2025.05.15
タグ
シェア