2024年・春の選択除草 報告レポート
4/27(土)の午前中、ランドスケープデザイナーの鎌田あきこさんをお招きして「春の選択除草の会」を開催しました。あいにくの雨模様だったので、参加者はいつもより少なめで5名(徳島大学の皆さんと、初参加の入居者の方)。雨が強い時間帯は、コモンハウスの中で選択除草についての雑談をしたりもしながら、楽しいひとときを過ごしました。
この報告では主に、傘をさして外をみんなで歩きながら見て回った敷地の様子をシェアしてみます。
今の鮎喰川コモンの原っぱを見てみると、暖かくなって、いろんな草が一気に育ってきています。鎌田さんのメモを覗いてみると、今生えている草はこんな感じ。
左側が在来種、右側が外来種です。選択除草の基本は、繁殖力の強い草を選んで抜く。外来種の方が、種を大量に飛ばしたり、生長が早かったり、繁殖しすぎることが多いのですが、在来種でも増え過ぎてしまいそうな種類は、種を飛ばしたり広がりすぎる前に、抜いたり刈ったりしていきます。
前日の下見の時点で、今回の除草対象にしたらよいかな、と話していたのは、以下の3種類。
1) カラスノエンドウ
2) スズメノエンドウ
3) ハルジオン?ヒメジョオン?
1)と2)はよく似た形の在来種。カラスノエンドウはミニチュア版のエンドウマメのような実をつけ、スズメノエンドウは葉っぱも花も豆もさらに小さい草。こちらがカラスノエンドウです。
在来種ではあるものの、もう少しするとサヤがはじけて大量の種が飛び散り、翌年にはさらに繁茂してしまいます。特に人の通行の少ない木の周りなどは、エンドウ類が繁すぎて埋もれたような状況に。
芝生の上や木の周りに生えているものは特に、きれいに抜いて木の周りにマルチがわりに敷いてあげると、保湿+窒素分も共有できて一石三鳥です。(マメ科の植物は根粒菌と共生して窒素固定してくれる)
3)は、私はいつも、ハルジオンだったのか、ヒメジョオンだったのか、わからなくなる外来種の草。
今はまだ小さくてあまり目立ちませんが、この後ぐんぐん大きくなっていきます。かわいい花を咲かせるのですが、増えすぎる性質もあり、「侵略的外来種」にも認定されているほど。これも見つけたら根っこから抜いていきたいところ。
ちなみに私は見分け方をいつも忘れてしまうのですが、ハルジオンとヒメジョオンでは、
・茎の真ん中に空洞がある/ない
・葉が茎を抱くようにつく/真っ直ぐちょこんとつく
・蕾がピンク色で垂れ下がり気味/白色でやや上を向く
といった違いがあるそうです。
原っぱの中にはこんな感じで生えていますが、どれか分かりますか?
正解はこちら
同じ写真の中には、過去に何度も選択除草の対象として狙ってきたセイタカアワダチソウも生えていますが、久しぶりに現地を訪れた鎌田さん曰く「開発当初の頃よりも、本数もだいぶ減ったし、勢いも弱まっている。選択除草の効果が出ていますね!」と言ってもらえたのは、なんとも嬉しいところ。
敷地内を歩き回っていると、たとえば、こちらのイタドリもだいぶ大きくなってきて気になるかもしれないけれど、在来種だし、まだ増えすぎているわけではないので、基本残していてもOK。道にだいぶはみ出てくるようだったら、通行の邪魔になる部分だけ刈るといいね、と。
敷地を歩いて回った後は、改めて室内へ。徳島大学の皆さんからは、今年も引き続き、選択除草の研究を進めていきたいという共有があったりしながら、楽しく会を閉じていきました。
最後に、選択除草をするのにおすすめの図鑑はこちら、と鎌田さんより。
今回はあいにく選択除草の作業をみんなではできませんでしたが、やはり実践しながら学ぶのが一番の習得方法!また草の生え具合を見ながら、呼びかけさせてもらいたいと思います。皆さん、ぜひ息抜き・交流も兼ねて、一緒に草を抜きましょう!