コモンだより

活動への伴走
 

竹の皮で草履作りワークショップ

こんにちは!1月から鮎喰川コモンスタッフになりました、ゆうこです。
寒い日、暖かい日を繰り返していて、冬と春のグラデーションを感じますね。
季節感があって良いな、とも思いますが、皆さまどうぞご自愛くださいませ。

さて、本日のコモンだよりは趣向を少し変えて。
3月27日に開催された「竹の皮で草履作り」ワークショップの様子を、ある方に焦点を当て、お伝えしてまいります。

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鮎喰川コモンに時折やってきてくれる人。
松本 定夫(まつもと さだお)さん。

松本さんは、コモンスタッフ達と実に様々なお話をしています。
会話の内容も大変興味深いけれど、何より印象的なのは、その笑顔。
私もこれから、たくさんお話、できるかな。そんなことを考えていました。

その時は存外早くに訪れました。
竹の皮で、草履作り。講師は、松本さん。
コモン内に掲示された達筆なポスターに、一瞬で心奪われて。
「ゆうちゃんも、参加してみる?」そんな一言で、私の参加も決定。草履、上手く作れるかなぁ。

そうして迎えた、3月27日、水曜日。
いつもより少しだけ早くに、コモンに行く。
ピッ!と小粋なクラクション。松本さんが車で颯爽と登場。おはようございます!
なんと、竹の皮、追加で持ってきてくださった。それも、長いものをたくさん。
「今日は、初めての人も多いじゃろうから、長めがええかなと思っての」
なんだろう。松本さんの雰囲気が、昨日までとはまた少し違って。
凛々しい?しゃんとした、そう、先生。先生なんだ。
格好いいな。

早速松本さんと共に、コモンで用意していた竹の皮も含めて、選別し、水に浸していく。
だんだん<これは長くて、これは短い。これは短いけれど、幅があるから使いやすい>みたいなことが、分かってきました。
私、竹の皮の長さ選別できます。明日から自己紹介に使います。
と、コモンスタッフ三好さんと三人で笑顔。


その日はとってもいいお天気だったけれど、まだ少し、風が冷たくて。
草履作りは、室内での開催となりました。
だんだんと慌ただしくなるコモンの一角。
それでも周りでは子どもたちがいつものようにはしゃいでいて、一体化。
こういうところが、本当にここの凄い所だな、と私はスタッフとなった今でもよく思います。

「要らないものはどけておこう」
「今日は全部で何人来る?」
「ビニール紐は今の内に切っとこう、端も結ぶけんな」
松本さんから、段取りの指示が飛びます。
きっとその脳裏には、私達が草履を完成させるところまでが、イメージできているのだろう。
松本さんの見せる笑顔、笑い声が、緊張しはじめた私達を和ませていました。

9:30。さぁ、いよいよイベントの始まりです!
松本さんから、今回のイベント開催に至った経緯が語られました。
昔は藁草履を作って履いていたんだ、とスタッフたちにお話ししたのが始まり。
そうしたら、皆で作ってみようか、という流れになり。
2022年の11月に、まずは藁での草履作りを開催したこと。
その時は、本当に時間が掛かって、10時間ほどでようやっと一足が完成!
皆が喜んでいて、嬉しくて。
次は竹の皮じゃ!となり、今日を迎えた。
「ここに来だしてから、もう三年になる」
その一言に込められた想いの深さを、感じ取れたような気がしました。

お次は参加者の方から自己紹介。
私同様、あの達筆なポスターに心惹かれて来てくださった方。
自分の手で何かを作ること、特に、<編む>ということに興味がある方。
今日から私達は他人の距離を失って、新たな関係を作っていくのかも。

「さっ!いくぞ!」
松本さんの威勢の良い掛け声とともに、竹の皮の草履作り、開始。

「竹も、草履に向くのは破竹と真竹やけんの。孟宗竹はいかん、大きすぎる。美味しいけどの」
そんな知識を織り交ぜながら、気が付くと草履がどんどん編まれていく。
あれ?注意して見ていたはずなのに。あっという間に仕上がっていく。魔法みたい!

松本さんの隣を中心にして、皆で伝えあいながら編み進めていきました。
それでも分からないときは、誰もがすぐに松本さんの隣へ行く。特等席。
いつだって、ゆっくりと、丁寧に教えてくれました。






そうして、気が付けばあっという間に12:30。
なんとか片足を、全員が仕上げることができました!
鼻緒、長すぎた!これをちょうど良くするのが、経験のなせる技なのだそう。
でも、可愛い。すごく可愛い!
心地いい達成感とたっぷりの愛着で、私にとっては満足の出来栄えとなりました。

ふと顔を上げれば、皆最高の笑顔。
まぁるくなった自身の草履を眺めて、触って。
「モノづくりは、これだからとても楽しい」
そんな囁きが、耳に残って心を温めてくれました。

13:00。
颯爽と去っていく車。ピッ!と小粋なクラクション。
やっぱり、格好良い。今日も、本当にありがとうございました。
はっきり口にはされずとも。その背にやりがい、を感じたから。
もう片方も、必ず作りきります。
一人でできなかったら、また、お願いします。

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みなさんも松本さんのように、鮎喰川コモンでイベント、してみませんか?
どなたでも利用することが可能です!
詳細はお問い合わせフォームか、お電話(088-603-8700)で。
お待ちしています。

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主催 / 神山町生活支援・介護予防サービス提供体制整備推進協議体
写真 / 植田 彰弘
文章 / 安友 優子

投稿日
  • 2024.04.10
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