お正月の松のお飾り、デジタルを使って伝承することに挑戦!
2月にしてはとっても暖かい今日この頃。
コモンの周りにも、目を凝らすと小さな春が目に入ってくるようになりました。
さて、先月コモンに飾っていた、
神山町伝統のお正月の飾りである「松飾り」。
松の木に吊るして飾るこちらの飾りは、
米粉でできているそうです。
30年前くらいまで松飾りをする家庭が多く、この米粉で作られたお飾りも、
お正月シーズンになると商店で売られていたようです。
コモンでは、ご近所にお住まいの方から、
大変貴重な米粉で作られたお飾りを譲っていただき、
この3年間大切に保管し、使わせていただきました。
保管中は虫がつかないように、防虫剤を入れて保管しています。
幸い、今は綺麗な状態を維持していますが、やはり劣化は気になります。
この美しいお飾りをどうにかきれいな状態で保存できないか、来館者の方と話をしていたら、
「もしかしたら3Dスキャンをして3Dプリントできるのでは?」
とのアイデアと出会ったのです!
そこで、コーダー道場神山(コモンで月に一度開催)の主宰の本橋さんにご相談したところ、
「やってみましょう!」と快諾してくださいました。
・・・
2月のコーダー道場当日に、3Dスキャン。
3Dスキャンをし、パソコン上で取り込むと、大黒天さまが回転しています。
ここからどんなふうになっていくのだろう・・・
そしてそして、実際に3Dプリンタで立体にしたときに、このような形になる、の図です。
なんだか、本物の大黒天さまも、いつもより嬉しそうな表情に見えます。
実際の立体になると、どんな感じになるのかな。
出来上がりまで、数時間かかるとのことで、その日はデータを見せていただいて解散しました。
そして数日後、
本橋さんが実際に立体にしたサンプルを持ってきてくださいました。
それが、こちらです。ジャジャン!!!
大黒天さまの顔の凹凸の部分まで、雰囲気がよく出ています。
こちらの材質は、アクリル絵の具との相性がいいそうなので、色を塗ることも可能とのこと。
色を塗ったら、さらに雰囲気が出そうです。
子どもたちと色とりどりのオリジナルお飾りを製作するのも楽しそうだなと、想像してしまいました・・!!
もしかしたら今年の年末はこちらのお飾りも・・あるかもしれません・・!
今回私が嬉しく思ったことは、
伝統的なお飾りが現代の技術を駆使することで、新しい形で永く残しておけることがわかったこと、
まちの方々の思いを集結させて、今ここでしかできない「かたち」を作っていくこと。
さまざまな伝統を教えてくださる方、
思いもよらないアイデアを伝えてくださる方、
そして実際に力を貸してくださる方。
コモンという小さな交差点のような場所で、小さな思いが行き交い、集まり、
少しづつ歩みをすすめることの楽しさをかみしめています。
コモンにお立ち寄りの際は、
3Dプリンタで作成した鯛と大黒天さまを見てみてくださいね。
そして、つづく
鮎喰川コモンスタッフ 三好