コモンだより

みどり
 

原っぱを育てる「選択除草」

鮎喰川コモンと隣接する大埜地の集合住宅では、地域の植生を活かしながら、楽しい原っぱを育てることを目標に、入居者の皆さんと「選択除草」を進めています。

普通の草とりでは、刈払い機で全ての種類の草を一気に刈りとってしまうことで、種を大量に飛ばしたり、生長が早かったりする外来種の方が繁殖しやすくなってしまうのだとか。
選択除草では、先にそういう繁殖力の強い草を選択して抜き、それを何年か繰り返すと在来種が多い草地になり、機械で刈ってもいい状態を保ちやすくなっていく、とのこと。

いろんな地域性の植物を楽しめて、かつ管理が楽な原っぱを育てるには、まず草を知ることが大切!
2020年夏には、鮎喰川コモンの東側に位置する池の周りを手入れしました。

この池は、住戸から出た排水を合併浄化槽で処理し、さらに池の中の植物や生物の浄化作用を加えることで、よりきれいな水を鮎喰川へ放流しよう、という「水質浄化池」。
工事が終わった時には何もなかったのですが、その後町内の水路から移植したり、自然と芽生えたりした植物で水辺が賑わい、様々な生き物の住処となっています。

今回は普段の選択除草に加えて、「ガマの穂の刈り取り」をする、というのが目玉です。
これ以上増えなくてよいので、綿毛が実って飛び散る前に刈り取ります。
ガマの穂はそのまま飾っておいてもかわいいですし、アウトドアで火を起こすときに使う火口(ほくち)や蚊取り線香にもすることができるそう。

このガマの穂は2018年12月に町内で見つけたものを「移植」しました。
当時はまだガラーンと閑散としていた池の周り。

無事に根づいて、2019年7月には、ガマの穂が風にたなびく様子が気持ちいい

種が飛んできたのか、ミゾソバも茂り始めて、かわいい花を咲かせていた2019年9月。

ガマが枯れるのを待って、葉を刈り、池から出した2020年1月。
栄養分を池に貯めずに取り出した方が、浄化力を高められるのではないかと期待が高まります。

2020年2月
池の周りに植えたコリヤナギからフワフワの芽が出てきたり

タネツケバナが花開きました。

2020年3月、刈った跡から再びガマが芽吹いてきて。

2020年5月にはもうこんなにみっちり生えそろっていました。

投稿日
  • 2020.07.30
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