第1回「手の赴くままに作ってみるクラブ」 レポ
2024年6月26日、第1回「手の赴くままに作ってみるクラブ」を開催の日。
今回の「手の赴くままに作ってみるクラブ」では、
縫う
編む
織る
絡める
をキーワードに、肩肘張らず、手の赴くまま、手を動かして「作ってみる」企画。
今回のイベントのナビゲーター 神先真緒さんは、開始時間の1時間前に会場入り。
たくさんの素材や資材、裁縫道具を持参し、並べる姿があった。
真緒さんと同じく布・糸・素材が好きな私は、
あれよあれよと大きなカゴから出てくる生地や糸らを一緒に整理していると、
ひときわ目立つ生地を見つけた。(上の写真の床にひいている、白い生地)
「これは何を作るための生地?」
真緒さんに聞くと、おしえてくれた。
「これはベトナムで見つけた、アオザイ(民族衣装)に使う生地で、
友人の結婚式で装飾を頼まれた時に使ったものでね・・・」
と、彼女にとって思い入れのあるものだった。
ああ、真緒さんは素材をこよなく愛しているんだなあとわかる。
「どのように使うんだろう?」
と、少し眺めただけでは使用用途がわからない珍しい形の毛糸も・・・!「もけもけの毛糸、いいでしょう?」と真緒さん。
もけもけの毛糸って表現、なんだかいいな。
”布や糸が好き”ということで、真緒さんの元に集まってきた布・糸や毛糸はたくさんあるんだそう。
この一枚の写真の表情から、ものづくり、布・糸が大好きなんだなあと伝わってくる。
さて、イベント開始時間の13時。
思い思いに、手の赴くまま、作ってみる時間を楽しむ。
古布を使い、スリッパを補修する大人。
使用感があったスリッパが、繕うと愛おしさが増すから不思議だ。
真緒さんは、おもむろに取り出した、大きなカゴの補修をするという。
豪快に布を裂き、カゴの縁をかがっていく。
ダーニング(※擦り切れたり穴が開いたりした衣類等を補修すること)に初めて挑戦するコモンのスタッフ。
後日、夜な夜なダーニングにハマったそうな・・。
帽子を作るために、ラフィアという繊維を5本編みする大人。
5本編みという手法を初めて知った〜、と周りの人たち。
県外から、たまたまコモンに居合わせた方。ご家族が紙漉きの活動をされている方で、
紙漉きするときに一緒に漉き込んだら素敵だろうという毛糸を見つけて、
真緒さんから譲り受けていた。まさか、毛糸が紙漉きに使用できるとは・・!
また、お仕事終わりに駆けつけてくれ、今回は素材を見てお話を楽しんでくれた大人もいました。
15時以降は、神山の3つの小学校に通う子どもたちが合流。手の赴くままに楽しむ子どもたち。特大の毛糸ポンポンを作る小学生。
真緒さん持参の羊毛と、石鹸水を使用し、フェルト化。
ん・・?なんだか地球みたい。
フェルトボール作りは、たくさんのお友だちに連鎖。
子どもたちが実際に作ってみる、実験の場になっていた。
そして、真緒さん持参の、30年ものの編み機で編み物をしてみる小学生も。
道具や様々な素材を使って、ものを作るって楽しい。
さらに、ふと真緒さんが、話し始めたことが、とても共感できた。
–布や糸を使って、身の回りのものを作る楽しさが、最終的に子どもたちに伝わるといいな。
–私のばあちゃんは、いつも編み物をしたり、お裁縫をしていた。
特に、教えてもらった記憶はないけど、そういう姿のある中で生活すること、
見たことがあることが、大事なのかな。そういう遠い記憶や経験は、自分を作っていて。
そして大きくなっても私の中に、残っているんだと感じる。
子どもたちにも、大人が楽しそうにものづくりに没頭している姿を見せていきたい。
もちろん、自分が楽しいことが一番やね。–子どもが学校で使うぞうきんを持って行く機会がある。
今は、お店でも売っている時代だけど・・・
でも、自分で作り出せるやん?と。自分が作って生み出したものは愛着が湧く。
何より、お店に買いに行く手間が省けるし(笑)
–でも、現実、大人って忙しいから、ものづくりを家でなかなかできないんだよなあ。
そういう意味では、こういう場があると、大人も「今日は没頭できるぞ」ってなるんだと思う。
集中して作るのに夢中になり、無言で手を動かすもよし。手をとめ、お話を楽しむもよし。
そんな時間がただただながれる。
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次の日、「今日は真緒さんの会やらんの〜?」とスタッフに聞いてくれた小学生がいた。
楽しいひとときだったんだろうな、と嬉しくなる。真緒さんにも伝えよう。
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最後に。参加された方からのお声を届けます。
–自宅にいては、なかなか出来ない作業や時間をあえて自分で出向く感じが
とても良かったです。他の参加者のみなさんとも交流が出来て嬉しかったです。
新しい発見も多くとても楽しい時間でした。
–編み物縫い物シリーズまたやって欲しいです!
–ふだんはひとりで家でダーニングすることが多いので、みなさんとおしゃべりしながら
ちくちくできてたのしかったです!素材や道具もたくさんあって、
色々やりたいことが浮かびました〜。
今回はご都合がつかなかった方もぜひ、次回開催時に覗いてみてください。
手の赴くままに作ってみることを介し、人とのつながりや新しいことを感じられるかもしれません。
鮎喰川コモンスタッフ 三好